椎間板ヘルニアの原因と治療方法
治療ブログ
脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症とは背骨の中にある脊柱管という神経の通り道が何らかの原因で狭窄(圧迫)されて神経痛を引き起こす病状をいいます。 背骨を作っている椎骨はお腹側にある円柱状の椎体と、背中側にある棘突起という骨が突き出た椎弓とで構成され上下の椎弓は椎間関節となり連結されております。そして椎体と椎体の間に椎孔という穴があいていて背骨が積み重なり管状の空間が形成されています。これが『脊柱管』といいます。この脊柱管の中には脳から続く神経(脊髄、)が通っています。その神経が枝分かれし椎骨と椎骨の間にある椎間孔という穴から出て体の各部へ伸びて体を動かしたり、感覚を感じたりする役割をしています。『腰部脊柱管狭窄症』は脊柱管が狭くなることで脊柱管の中を通っている神経の束や脊柱管からでる神経の根元が圧迫されさまざまな症状が現れることをいいます。脊柱管が狭くなる原因は生まれつきの脊柱管の狭さや、脊椎の変形など様々であります。脊柱管が狭くなると骨の圧迫により神経に栄養を送っている髄液や血液の流が悪くなり神経の栄養障害にも陥ります。そしてそれにより「いたみ」、「しびれ」、「間欠性跛行」、「直腸・膀胱障害」など様々な症状が現れてくることになります。したがって脊柱管狭窄症は圧迫を取り除いて髄液や血液の流を良くすることが治療になります。
脊柱管狭窄症のタイプ
・神経根型
脊髄から椎間孔を出て行く神経の根元を神経根といいます。左右両側に起こることもありますが多くは片側だけに出現します。主な症状は神経に沿っての腰から足への痛みやしびれです。腰を反らせたときに症状がひどくなり逆に前かがみになると症状が緩和します。これは姿勢によって脊柱管の広さが変わるためです。
・馬尾型
脊柱管内に通っている精髄は腰部までのび神経の束を作っています。その神経の束を「馬尾」といい、この馬尾神経が圧迫をされます。この馬尾型は神経根型よりも症状は重く両側の足のしびれや麻痺、会陰部に灼熱感などが特徴です。また馬尾は膀胱や直腸の働きに関与しているため排尿障害や便秘などの症状も引き起こします。
・混合型
神経根と馬尾の合併型で神経根と馬尾の両方が圧迫されることもあります。神経根の圧迫による痛み、しびれと、馬尾の圧迫による感覚障害がおこります。
どのタイプにも共通して「間欠性跛行」という特徴的な症状がみられます。この間欠性跛行はある時間歩き続けると痛みやしびれが強くなりしばらく身体をかがめて休むと症状が軽減してまた歩けるようになる状態をいいます。持続して歩ける時間は脊柱管の圧迫度合などにより異なりますが、だいたい軽症の方なら10分、重症の方なら1分で歩けなくなってしまいます。こうした症状が出現するのは歩くことにより背骨がズレることで脊柱管が狭くなり神経の圧迫が強まるためです。脚に血液を送っている血管が動脈硬化を起こしている場合にも間欠性跛行が現れることがあります。動脈性の間欠性跛行は立ったまま休んでいても歩けるようになりますが脊柱管狭窄による場合は座ったり前屈したりしないと歩けるようにならないのが特徴です。
検査・診断は単純Ⅹ線検査およびMRIにて脊柱管という背骨の中を通る神経を囲む管の狭小や圧迫を調べるのに有効です。 治療の方法は病院での保存療法としては鎮痛薬や筋弛緩薬による薬物療法、コルセットを着用しての固定、牽引療法をおこない、症状が重い場合は観血療法として神経の圧迫を取り除く「除圧術」や椎弓を部分的に削る「開窓術」、椎弓を広い範囲で切除し圧迫を取り除く「椎弓切除術」などがあります。 当院では幹部の血行を促進し神経に栄養を送れるように、そして脊柱管の圧迫の原因となる骨のズレや歩行時や体のメカニズムなどを取り戻す特殊な手技や電気療法を行うことで沢山の成果をあげております。 お悩みの方は病状が悪化する前にご相談ください。